「お願いします。」
メイク室に入る。
「えっと…私は…」
涼子が、スタッフに聞いている。
その時。
「ああ…涼子ちゃん、今日は捕まった女の子って事でこのPVに出てもらうよ。」
監督がメイク室の扉を開けながら言った。
「ちょっ話、変わってませんか?」
スタッフが監督に言う。
「変えたよ、その涼子ちゃんが出られる様に、歌詞的にも合ってるし少しダンスシーンを削るだけです」
「わ、わかりました。」
っと、スタッフが折れた。
そして、涼子の、メイクの準備を始めた。


俺らのメイクは終わって監督から、話を聞いた。
「今回は、ダンスシーンをベースに監禁された女の子、涼子ちゃんを助けるっと言うアクションシーンも入れる。…じゃ。先にダンスシーンを撮ろうか、」
「はい、」
皆、さっきとは変わって、真剣な顔振りになった。

リハが始まった。
この曲は、今までの中でもダンスが激しい。
「1.2.3.4.5.6.7.8. 2.2.3.4.5.6.7.8…」
皆で口ずさむ。
「それでは、本番、スタート!」
曲が流れる。
ダンスシーンのメロディーが近づく。
皆で踊り出す。

「はい、オッケー!!」
皆でモニターの所に走る。
自分の場所を、取ると。
「ハァー疲れた!」
っと皆、座り込む。

モニターで、自分達を見る。
「オッケー?」
俺的は、良かったので皆に聞く。
「うん!」
っと恭平が真っ先に返事を出した。
皆それに続く。
「じゃ、アクションシーンいきます!」
スタッフの、言葉と共に、ボロボロの服、顔に無数のあざ、切り傷の、メイクをされた涼子が出てきた。
「すごーい!」
恭平が駆け寄っていく。
「俺、ドラマとかやった事ないから生で見るの初めてー」
一人ではしゃいでいる。
「準備して。」
スタッフの言葉で涼子が、連れていたれた。
涼子は、セットの柱に紐で、つながれた。
涼子は、初めての事で戸惑っているようだった。
「ちょっ…」
涼子の言葉を遮るように、口にガムテープが貼られた。


「スタート!」
その言葉で皆が涼子に向かって走り出す。
敵に前を塞がれる時に少し涼子が見えた。
「んーーーーーー」
涼子は、役に入りきっている。
音声は入らないので、スタッフに自由にしていいよっと言われたらしい。
涼子は、もがいている。
俺らは敵の渦からでて、涼子の元に行く。
竜也が紐をとっている。
翔が、口のガムテープを取る。
そして、俺が涼子の手を引きその場を離れた。
その後を皆が続く。

「はい、カット!!」
皆モニターを目指す。

その映像は、凄かった、俺らはよく見えなかったけど、涼子は、すごく細かい所まで演技していた。