目を開ける、そこには男の人が5.6人居た。
“なんで…私、生きてるの?”
上半身を、起こし、周りを見てみる。
「私…どうして?」
近くに居た人に聞く。
「和…えっと、山田和也くんが、受け止めてくれたんだよ」
その人が指差した方向を、見る。
皆、変装はしているけど、この人は、見覚えがあった。
「ありがとう…ございました」
和也さんに、頭を下げる。
「それより、お前…大丈夫か?」
和也さんは、私の左手首に目線を落とした。
私はそれを、一生懸命隠す。
「お母さんと、お父さんは?」
気になって聞いている。
「………」
皆無言で話してくれない。
だけど、一人の男の人が、沈黙を破った。
「俺は革梨勇作。」
勇作さんが、深く深呼吸をして、話し出す。
「貴方のお母さんと、お父さん。は…ここにくる時に、事故にあって亡くなってしまったんだ」
しんみりと言う。
「え?…じゃ…私は……」
“ひとりぼっち”その言葉が頭の中でぐるぐる回る。
その時、先生らしき、白衣を来た人が、話し出した。
「特に、怪我は無いので、退院していただいて、よろしいですけど…どうしますか?」
「………」
どう答えたらいいか、わからなくて、つい無言になる。
「ちょっと…」
そう言い和也さんが、先生を、病室の外に呼び出す。
他の人達も、ついて行き、病室には、私、一人になる。
「う…うぅ…」
急に、涙がこみ上げて来て、自分では止められなくなるぐらいになってしまった。

その頃。
病室の外では、深刻な空気が流れていた。
「あの。どうにか、なりませんか?」
先生に、問いかける。
「どうにか…と言われましても……貴方が、引き取っていただけると言うなら、退院できますが、あの状況で、一人で帰らせるのは、危険です…せめて親代わりでもいれば。。。」
「俺に、養子縁組をしろと?」
「そうとは言いませんが…今の状況では…」
俺は養子縁組に関しては、別にいいと、思っている…だけど、俺に親代わりが務まるかが不安で…仕事上、コンサートとかもあるし…
「わかりました。とりあえず、引き取ります。養子縁組をするかどうかはそのあとで決めます。」
「和っ!おい!」
その時になって、他の皆が居た事を知った。
「よろしいですか?」
先生が、聞いてくる。
「はい。」
答える俺を、皆が止める。