ピピピッピピピッ…
冷たい機会音が、病室に響く。
ピーーーーーー
涼子の…心臓が…止まった。
先生が、心臓マッサージを、始める。
周りの、涼子を呼ぶ声は全く耳に入らなかった。


それから。三日後…
俺は、花束を持って病室に向かう…
もちろんメンバーも、一緒だ、今日はマネージャーも、着いて来た。
ガラッ…
扉を開ける…
静かな病室…なんの、音もしない。
「涼子…」
そういい、眠っている、涼子の手をつかむ。
涙か止まらない。


あのあと。
森永たちは、逮捕された。


目を瞑る…
ただただ、涼子の温もりを、感じたい…
ただそれだけ…
その時。
「和…涼子ちゃんが…」
勇作の、声に、
目を開ける。
涼子は、ゆっくり。ゆっくり…目を開けた。
「先生読んで来ます。」
早口な、マネージャーの声も聞こえる。
「涼子…」
ギュッと手を握る。
涼子の手は力なく。
でも確実に俺の手を握り返してくれた。
俺達は、毎回来る度に用意していた、あの時買った服を、見せた。
「早く、退院してこの服着ような?」
涼子は、力強く、頷いた。


それから一週間後…
退院できる様になり、病室に、訪れた。
「涼子…」
「涼子ちゃん。」
その人の声と俺の声が重なる。
「あの…涼子ちゃん…だよね?」
「はい…」
小さく、答えた。
「あの。こう言うものですけど…勇作さんから、紹介いただき、来ました。」
よく見ると、タレントプロダクション。
っと書いてあった。
「いえ…私は…」
断ろうとする涼子に、俺は。
「やって見たら?もしかしたら、共演できるかもよー!あとね!俺、ドラマの主役決まったよ!」
っとちょっぴり、自慢げに言った。
「じゃ…やってみます。」
涼子は、そっと頭を下げながら言った。
「あのさ…一週間後、和也さんが、出演するドラマのオーディションが、あるんだけど、受けて見ない?」
俺は、なんの役なのか、頭の、なかで探す。
「え?…私…まだ何もできませんので…」
「そんな事言わずに、これ覚えれる?、また、連絡するから。」
それだけ言うと、さっと去って行った。