涼子は、ずっとビクビクしていた。
「どうした?」
聞いてみる。
「あの…私と、いていいんですか?……バレたら……ファンの、子とかが悲しむから…私も、一人ファンでした。ずっと貴方に、支えてもらった…正直、会えて嬉しかった…死ぬ前に一度はあいたかったから…CMや、ドラマで貴方を見る度元気を、笑顔を、もらったんです。」
涼子は、辛い思い出を、呼び覚ますように話した。
その間ずっと下を向いて、表情は見れなかったけど声の震えで、泣いているのがわかった。
「俺は、この事を隠すつもりはないよ?涼子は、いいんだよ心配しなくて。」
優しく、語りかけるように言う。
「……っでも…私のせいで、貴方を傷つけるかも…」
「そんなの全然いいって!」
そう言って、涼子の手を取り、小走りで店に向かう。
「あ……」
呆然と、俺に、身を任せる。
「笑って!楽しもうのよ!」
そう言うと、笑顔を、作ってくれた。
本物の、笑顔が見たいな。
そう思った。
普段は、下を向いていて寝顔でしか見た事が無かったが、改めて見ると、涼子の笑顔は、素敵だ。
凄くかわいい。
っと本心で思った。
俺は、仕事の事もあって、女優の作り笑いは結構見る。
でも、涼子は作りでも人を引きつける、魅力が、あった。
俺は、涼子に似合いそうな、店を探す。
俺は、POP系の服のが好きだ。
だから、そういうところを、涼子に、似合いそうな、店を中心に、探す。
「ここ。ここにしよう!」
やっと、いいお店を見つけた。
「服何センチの、着てる?」
そう聞くと。
「150ぐらいのを着ます。」
っと、できるだけ笑顔で、言ってくれた。
多分、身長が、150ぐらいだから160ぐらいかな?
っと、頭で考える。
そして。
「お楽しみって事で、そこの、ベンチで座ってて。」
近くのベンチを、指差す。
店を見る。
うーん……
いろんな、女優さんの、衣装は見て来たけど、選ぶのは結構大変そうだ。
俺は、ダボっとした、上の服と。ショートパンツ、を買った。
そのあと、違うお店で黒いタイツを、買った。
あとは…靴。
靴は、履かないとわからないから涼子を連れて靴のお店に来た。
俺は、服に会うようスニーカーを持って来て。
「履いて見て?」
っと、涼子に渡す。
履いて見ると。
「ピッタリです。」
っと、笑顔で言ってくれた。
「じゃあ、これにしようか?」
「うん!」
っと、なんだか親子の会話だ。
店を出ると、あと10分しかなかった。
フードコートは、反対側だ。
「やばっ!走ろう!」
っと、手を引いて走り出す。