リビングでは、
「俺ここで寝る~!」
など、修学旅行的な空気が漂っている。
「なあ、和」
勇作に呼ばれて、振り返る。
「これって…」
勇作が、テレビを、指差す。
皆もそれを、追う。
『今日、午後6時ごろ、火災があり、“水上宅からの、発火、その原因は、放火、タバコのポイ捨てが、原因”だと、いう事です。死亡者は、0ですが、大きな、火災でした』
水上宅って……映し出された、映像を、見て。
バタンッ
っと、涼子が、倒れた。
「大丈夫か?…」
直ぐに、体を起こす。
「うん。だって、帰ったって、誰も…いない…から」
言葉が、震えている…
今、なのかな?…涼子を、助けられるのは…
「あの…さ、俺と、一緒に、住まないか?」
「?…」
もう一度、ちゃんと、言う。
「俺と、養子縁組を、組んでくれないかな?」
「え……だって…私と、貴方じゃぁ…住む世界が…」
「そんな事……」
俺が言う前に、涼子が、遮った。
「貴方は、皆に、必要と、されています。でも、私は…」
「そんな事、ない、よ?…俺には、お前が、必要だ。」
いつの、間にか頬には、涙か垂れていた。
「でも、貴方の、……」
今度は、俺が遮った。
「違う…違うよ?……必要と、されていない、人なんて、いないんだよ?」
「………」
涼子は、泣いている見たいだった。
その光景を、皆が、優しく見守る。
「いいかな?……」
俺が聞くと、涼子は、頷いて、くれた。
「疲れた、だろ?…もう、寝な。」
そう言って、部屋へ、連れて行く。

ガチャン
ドアを閉めて、リビングに、戻る。
「なぁ~!明日、土曜だし、俺らも、オフだし、ショッピングとか、いかね?」
勇作が、言う。
「俺らも行く~!」
っと、恭平が、手を上げる。
「よし!じゃぁいこうか!」
気持ちを、切り替え、手を叩いて言う。
「俺、ちょっと電話して来る。」
そう言って、リビングを、出る。

「もしもし。あの…」
「私だか…」
「あの、山田、和也です。この前の、話しですけど、養子縁組を、組む事に、なりました。」
「おおー。展開が、早いね!まぁ。前にも行ったとおり、仕事に影響が、出たら、また、考える事に、する。頑張るんだぞ。」
力強い言葉に、身が締まる。
「はい。」
「じゃあな!」
「は…」
相変わらず、社長の、電話は、短い。
返事を返す前に、切られてしまう。