─ちょっ 見せてみ。
教科書を覗き込むが、そのような外国語は何処にも書かれていない。
今度は一緒に教科書を見ながら読ませてみて、やっと判明した。
以下の通りである。
ちょしょん→長所
たしょん→短所
さまこ→様子
…《さまこ》は許してあげて…
間違いを指摘したら、
えっ じゃあ ようこ?
と言った事も許してあげて…
だって《様子》はそう読めなくもない。
前後の文脈を無視したら。
が、《ちょしょん》と《たしょん》に至っては…
もはや、「読めない」のではなく、「言えない」のレベルだ。
幼児が《おくすり》と言えず《おすくり》と言ってしまう、そんなレベルだ。
いや、それ以下か?
とにかく、長男が変換した《ちょしょん》と《たしょん》に私は殺られてしまった。
ヘソの奥で何かが暴れている。
暴れ出すのを承知で、
─も一回始めから読んでみ
と言ってしまう。
─…ちょしょん……たしょん…