潤SID


優莉が走り出して追いかけることが出来なかった。
俺らもその場をすぐ後にして解散した。






家に帰り俺はさっきの事を思い出していた。




圭を殴ろうとしたその瞳は我を忘れ恐怖心で一杯といった感じだった。
その手を掴んだ時には震えていた。
そして今にも泣き出しそうな悲痛な顔で走って行った。









アイツは一体何にそんなに怯えているんだ…。







「潤、聞いてるのか?」




玲沙の声に我に返り、電話を続けた。




「ぁあ。」



「ハァ……優莉ちゃんの事?」



「……。」




「ったく…。不器用にも程がある。何かあるよって言っただろ?」




「ぁあ…。」



「まぁ…イイ、また明日。」



「ぁあ…悪い。」









俺には何が出来る…?
アイツを救いたい…俺ホントにどうかしてるわ…。





しばらくしてゆっくりと眠りについた。






潤SID-END-