芯壱はパジャマを着たままテレビを観ていた。


私は何も言わずに玄関の扉を開けた。

「パパー、
いってくるよぉ」

と夏は言ったがいつも通り芯壱は何も話さずテレビを観ていた。


プライドの高い男だからいってらっしゃいと女を送り出すことに抵抗があるのだろう。

でも夏にくらい言ってあげてもいいと思う。


夏は毎日こんな光景を見てどんな風に感じているのだろうか…
そう思うと夏を不憫に感じた。