しばらく走ると、ドサッと座り込んだ。 顔は再び涙でぐちゃぐちゃだった。 両手でギュッとボタンを握り締めて泣いた。 充分。 先輩が1分でも一瞬でも、 私のことを見てくれただけで充分だった。 しばらく人目も気にしないで座り込んでいた。 足音が近づいてくる。 「・・っふみっ・・」 ギュウっと後ろから力強く抱きしめたのは、梓だった。 「梓・・?」 静かに問い掛ける。