今になって心配になった。



そんなファンの子達に笑顔で応え、ボタンを渡していく。



そして自分のやるべきことが終わったファンの子達は満足そうに帰っていく。



今ならまだファンの子達は少ない。


いつもより全然少ない。




話すならいまだ。



少しずつ先輩に近づいて、前のファンの子がひとりになった。



「圭弥先輩、ずっと好きでした。」


その前の女のこはすっと言った。


先輩はいつもの笑顔で


「ありがとう。・・ごめんね。」


と言った。




女のこは静かに頭を横に振り、


「言えただけでよかったんです。ありがとうございますっ」



そう言ってペコッと頭を下げると満足そうに嬉しそうな顔で走って帰っていった。