「伊崎と祥太は客寄せパンダになって来い」

束になったチラシを紙袋に詰めて二人に渡す。

「腹黒とはいたくねぇが仕方がねぇ」

嫌そうな顔で受け取る伊崎。
ついでに、くわえている煙草を注意してやった。

煙草くわえたまま配っても誰も近寄らねぇ。

「ほら駄犬、ついてこないと迷子になっちまうぞー」

「てめぇ、とりあえず殴らせろ」

「嫌に決まってんじゃん」

…あいつらに任せたのは失敗か?

伊崎と祥太が珍しく手を組むきっかけになったのは篠原の一言で文化祭も決行になった。