「おめぇの匂いがしねぇ」

袖やら服の端を嗅ぎ出した。
野生の猫みたい。

「シノ?」

「お前の匂い好きだ。
だからいつも服を勝手に借りてるけど、この服は祥太の匂いがしねぇ」

首を傾げて何でだ?と眉間に皺を寄せている。

あー…、どうしよう。
他人に対しては鋭くて周りを把握してから動くのが篠原。

だけど何処か子供っぽくて俺の理性をぐらつかせる技を持っている。

「お、おい、祥太?」

篠原のセーターを脱がして先程まで着ていた自分のセーターを篠原に着せた。

「これでするでしょう?」

「…おう」



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