「そうかもね、特に草ちゃんは生理的に拒否ってるのかも」

「素直じゃないなぁ~」

こいつらの会話はわからん。
急に確信を突っついたかと思ったら笑い話に変わる。

こいつら二人は、これで会話が成り立ってんなら気にしない。関わっても面倒なだけだからな。

「祥太さーん!松橋先輩!
遅くなってすみません」

両手一杯に袋を持って駆け寄ってくるのは忠犬の忍だ。
その後ろをマイペースに帰ってきた篠原。

「喧嘩してきたの?」

祥太は怪訝な顔で見遣る。
忍の口の端が切れて血が出ていた。