「シノが好き♪大好き♪」

また変な歌を唄い出したのは祥太だ。

「だから俺だけを見ててね♪」

他の生徒は見てみぬふりだ。
こういった時は無視に限る。

いつもなら忍あたりが話しかけるが生憎、忍は他の連中らとバスケに夢中。
篠原は、まだ姿すら見ていない。

「好き好きシノが好きよ♪」

「………………」

怪訝な顔で祥太を見ていたら最悪な事に目が合ってしまった。

「一緒に歌う?」