「いいの?」

真っ直ぐ俺の目を見て逸らさない。嘘の無い目。

「けど、まだお前と何処かに行きたいし楽しみたいし、その気持ち、もうちょい仕舞っててくんねぇか?」

何で、こんなにかっこいいんだよ。
何で、俺に殺されてもいいって思ってんだよ。

「……シノ」

「俺の我が侭も、たまには聞いてくれ」

大分、我が侭の篠原が¨たまに¨って何言ってんの。

「じゃあ、篠原を殺すのは我慢する」

「そか」

短くなった煙草を投げ捨てた。横顔しか見えないけど、きっと口の端を歪まして笑ってる。

「ねぇ、シノー?キスしていい?」





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