「祥太に貰えよ」

さっき頼んだメニューが机の上に運ばれていく。

「あいつ、生えねぇんだ」

一斉に祥太の方に視線を移して何かに納得していた。

「俺と一緒だなぁ」

「祥太は生えて欲しくねぇけど草太は生えたら貫禄あんのにな」

今でも充分あるのに、これ以上貫禄ついたら今でも学生に見えねぇのに全く見えなくなってしまう。

他愛の無い話をして草太は忍達がいる場所へ戻って行った。

「最近、めっきり噂聞かなくなった」

蕪木は忍達のテーブルに視線から自分達の机にある食べ物へ視線を戻した。

「祥太に言われてるからな。
遊びなら俺も黙っちゃいねぇさ」

篠原を見遣ると口の端を歪ましていた。

「そりゃそうだ」