「初めて見ましたよ」

「蕪木さんは情報が専門で喧嘩は好きじゃないっス」

明神高は俺達には敷居が高いイメージがある。
喧嘩を売られたとか売ったとかも聞いたことがない。

それに見た目から蕪木さんから先輩みたいな重い圧を感じる事もない。

「どんな方なんすか?」

「クロさんが詳しいっスよ」

「いや、詳しくないから。
情報交換してるネコが知ってるだろ」

野良さんは、クスクスと笑い終わってから「待ってたら来るっスよ」と松橋先輩が作ったカップケーキを口の中に放り込んでいた。