「指名?困ったな、学祭やるって言うから遊びに来ただけなんだけどよ」

辺りを見渡して頭をポリポリ掻いている。

「お!篠原でいいよ」

受付役の男の話を聞かずに篠原がいる席に向かう。

ありえない姿に一瞬見開いたが、すぐさま笑顔に戻って

「童顔だから似合うんだな」

1人納得していた。

「一人か?」

「俺は連れて歩くのは嫌いなんでな」

学祭だと聞き付けたのは明神高の大将である蕪木和巳だ。