「お前…」

「1日、貸し切りだ」

呆れてものが言えない私にドヤ顔で見てくる。

「本当にバカだな」

「嬉しそうな顔してんじゃねぇか」

「黙れ!てめぇも手伝え」

意味が通じてないのか眉間に皺を寄せている。

「料理出来んのは私だけだ。 抜けるわけにはいかねぇんだよ」

「てめぇ、家に帰ったら覚えてろよ」

舌打ちした伊崎は卵とケーキ粉の入ったボウルを受け取ってかき混ぜ始める。

「…それを言われて素直に帰る奴が何処にいんだよ」