「えっ!?」

私の初めて!?
何言ってるの!?

裕樹君は驚いている私を、ソファに押し倒した。


「俺は処女を相手する趣味はないけど、昔のよしみだ。特別にヤってやるよ」

「ちょっと、裕樹君!? 冗談、だよね?」

「残念ながら、俺は冗談が嫌いな男なんだよ」

裕樹君はそう言いながら、私の体を触る。


「ひ、裕樹君! こ、怖い……っ」

「怖くねーよ。大丈夫だ、優しくやるから。な?」

裕樹君にチュッと額にキスされる。


「ひ、裕樹君……」

優しい笑顔を浮かべてくれているけど、初めてなんだから怖いものは怖い。


「最初は痛いかもしんないけど、すぐ楽になる……」

裕樹君はさっきとは違う、優しいキスをする。


そして、夢中になりだしたとき、裕樹君の手が胸に置かれた。


 ──や、やっぱり、怖い……!!


「ただいまぁ」

お、お母さん!


裕樹君の耳にもお母さんののん気な声が入ったみたいで、私から離れた。


「あら、2人とも。どうしたの、同じソファに座っちゃって?」

「あ、理央がそこに虫がいたって言うので、退治してました」

買い物袋を持ったお母さんがリビングに入ってきて、すぐに疑問を投げかけるけど、裕樹君は冷静に対応をした。


「あら、そうなの? 相変わらず、虫嫌いねー。──あ、理央。夕飯の支度、手伝ってもらえる?」

「あ、うん。わかった」

ソファから立ち上がり、母親と食事の支度を始めた。


あ、危なかったー……。
お母さんが帰ってきてくれて、助かった……。