「お前、覚えてるか? あのときの約束」

「え……」

あのときのって……。


「俺は覚えてるぜ? 絶対ェ、お前のとこに行くって」

裕樹君が真っすぐに私を見つめる。

しかも、真剣な表情で。


「……理央はもう、俺のこと、好きじゃないの?」

「え……?」

裕樹君のことは……好き、だけど。

今は恋とか、そんな感情じゃない。


「幼なじみとして……好き、だよ?」

簡単にまとめる。


すると、裕樹君の表情が暗くなったように見えた。


「……変な質問したな」

裕樹君は起き上がった。


裕樹君はどうなの?

裕樹君は、私をどう思ってるの……?


「裕樹君!」

「ん?」

「ひ、裕樹君は……。私のこと、どう思ってるの?」

「は?」

「裕樹君は私のこと」

「何とも思ってない。ただの幼なじみだ」

裕樹君はそう言い放った。


私には、感情がこもってない言葉に思えた。

裕樹君の本音、知りたいよ……。


そう思ったけど、これ以上、追求しちゃいけないと感じた。

そんな気持ちを抑えるように、手を握った。