「っ……泣くなよ、バカ……」

「ど、うせ……バカだもん……」


ぎゅっ……と抱きしめて、私の耳元で「好きだ」と囁いてくれた……。

私はそれに、「うん」と小さく答えた。


「私も……好き……。裕樹君」


ずっと……ずっとずっと言いたかった、私のホントの気持ち。

やっと伝わった……。


私も裕樹君の胸に思いっきりうずめて、これはうそでも夢でもないんだと、自分に──そして裕樹君に言い聞かせるように。


「理央……。ホントに俺でいいのか?」

「いい……。裕樹君がいいの……」


暖かい。

これが裕樹君のぬくもり……。