歩いて数分、人気のないベンチまで連れてこられた先で、裕樹君はここで落ち着こうと言ってベンチに腰かけた。

気まずいけれど、私もそれに続いて、隣に座る。


「ごめんなさい……」

「気にすんな。俺も……悪かった」

「ううん……。ホントにごめんなさい」



自分勝手なことは自分が一番、分かっている。

でも、どうしたらいいのか、分からないんだ。

裕樹君に気持ちを伝えてもいいのか、伝えちゃダメなのか、伝えたら裕樹君は離れてしまうんじゃないか……ただ、怖い。



「ごめんなさい……ホントに、ごめんなさい……」

「理央……」

「ねえ、裕樹君……。私、分かんないよ……」

「何が判んねぇんだよ?」

「全部……全部だよ。何も分かんない……何も分かんないから、怖いの……」