「待ちに待った花火大会だぁーーーーー!!」
緑もあたしも浴衣を着て、スキップしながら歩く。
何年たっても、下駄は苦手だ。
「夏美、歩き方おかしいぞー。」
「んもぉぅっ!!わかってて言わないでよ!馬鹿蓮!」
何も迷わず、あたしらは綿菓子が売ってる方へと並ぶ。
綿菓子は大人気でいつもものすごく並んでしまうから、先に買う。
「お。お嬢ちゃんたち!今回は8番手だったねぇ。」
「おじさ~ん!今回こそ、おまけしてくださいよ!」
「駄目だねぇ~。おばちゃんに怒られちゃうんだって!」
「「「「えぇ~…。」」」」
『おじちゃんのケチ!』と言って綿菓子を貰う。
ケチだけどすっごく優しくて、ホントは大好き。
花火打ち上げまで、刻々と迫っていた。