一瞬戸惑ったけど、あたしを怒らせたと思って変な冗談言い出したんだ。
そうに違いない。
「怒ってないから!変な冗談言わないでよ!」
「…冗談だと、思った?」
「え…。」
珍しく、陸が真剣な眼差しで言ってきた。
本気だって言うの?
あたしのこと、スキだって言うの?
緑じゃなくて、あたし?
「夏美…なんで泣くんだよ。」
気付いたら、あたし、泣いてたみたい。
なんでだろ。
嬉しいのかな?びっくりしたのかな?
陸は優しくあたしを抱きしめた。
ふんわりと優しく。
あー。陸の匂いだ。
陸の温かさが、ほのかにわかる。
あたしは、陸に身をゆだねた。