「ふぅ~っ。補習終了!」
補習が終わったのはよかったけど、
暑い、暑い!
陸とダッシュで坂を駆け上がる。
「俺の勝ち♪」
「はぁ~…もぉ、疲れた~。」
「おっと。分かれ道だ。」
「じゃぁ、蓮にはあたしから話しとくね!」
「よろしく、夏美!」
「またね、夏美~。」
あたしと蓮は右、陸と緑は左となっている別れ道。
蓮に報告しなきゃいけないあたしは、自分の家を通り過ぎて、蓮の家に行く。
…陸と緑は仲良く肩を並べて帰って行った。
そんな緑を羨ましく思っているあたしは、なんだか変だ。
陸に名前を呼ばれるとドキッとしたり…
蓮に聞いたら、『それは好きなんだよ。』とか変なこと言うし。
「おっし!蓮~~~!!」
暗い思いはかき消して、思いっきりでかい声で蓮を呼んだ。