ドッカーン




何の音かとのぞいてみれば、花火の音だった。




「もう花火の時間だったっけ?」

「さぁ、行くよ!蓮、特等席作っといたよね!?」

「うん。緑?行かないの?」

「ほぇ?あ、うん!行く!」




あたしの勘違いかもしれないが、緑は陸のことが好き何じゃないかと思う。
今の反応だって…

あたしが陸のパーカーを借りたからだ。




「夏美、なに下向いてんの?花火は上だよ?」

「うっせー、陸!そんぐらい知ってるわ!」




憂鬱な気分はかき消して、綺麗な花火を見上げていた。