「親父。悪かった」 俺が頭を下げると、姫香は病室から出てった。 「なんだよ。今更」 「俺…素直になれなくて、実際褒められたときは嬉しかったし…親父を尊敬してた。だから俺も親父みたいなピアニストになる、そう決めた」 「…俺みたいなピアニストになるなんて、そう簡単にはなれないぞ。」 「大丈夫。俺には支えてくれる人がいるから」 「…姫香ちゃんか?」 名前覚えてくれたんだ。