「…父は、ピアノは上手くなきゃ弾かなくていい、そう教え続けています。俺は、そんな間違った教えを取り消し、ピアノは堂々と胸張って弾けばそれでいい。そう教えていきたいです。」







《そうですか。それでは、最後に椿さんの将来の夢を教えていただけますか?》








「…ピアニストです」







チラッと親父の方を見てみると、弟はもちろん、親父まで目をまんまるくして驚いている。










「そこは……親父みたいなピアニストになりたいです」










《ありがとうございました。合否連絡は一週間後です。それでは、お疲れ様でした。》