呆れて何も言えずにいると、空に響く大きな鐘の音が聞こえてきた。

あ・・・、入学式終わったー。

初日から遅刻なんて、本当ついてない。

“ほんとゴメン!!ゴン太のせいで入学式出られなくて!!”

私の放心状態の顔を見て、手を合わせて謝ってきた。

“・・・大丈夫です。ゴン太が助かったんで。”

そうだよね、子猫が助かっただけでもよしとしよう。

笑顔でそう言うと、ゴン太が私の足元まで来た。

“おまえも、降りれないくせに、木になんか登るなよー。”