「…っ」
土方の優しい笑みに美桜里は視線を外してしまった。
まずい…。
私、今、絶対顔が赤いよ。
実際、美桜里の顔は赤かった。
「美桜里」
「ん?」
美桜里の声が上擦ってる。
これでは動揺してるの丸分かりだ。
「笛を吹いてくれ。お前の笛の音は心が安らぐ…」
「あ、ああ」
美桜里はまた笛を吹き始めた。
ふと視線を彼に向けた。
土方は笛の音に耳を傾けるように目を閉じていた。
正面から見た顔も綺麗だが、横顔も錦絵から出て来たみたいに綺麗だ。
美桜里はそんなことを考えながら、笛を吹いていた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…