「…っ」



土方の優しい笑みに美桜里は視線を外してしまった。



まずい…。



私、今、絶対顔が赤いよ。



実際、美桜里の顔は赤かった。



「美桜里」



「ん?」



美桜里の声が上擦ってる。



これでは動揺してるの丸分かりだ。



「笛を吹いてくれ。お前の笛の音は心が安らぐ…」



「あ、ああ」



美桜里はまた笛を吹き始めた。



ふと視線を彼に向けた。



土方は笛の音に耳を傾けるように目を閉じていた。



正面から見た顔も綺麗だが、横顔も錦絵から出て来たみたいに綺麗だ。



美桜里はそんなことを考えながら、笛を吹いていた。