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すると、肩に羽織がかけられた。
振り返ると、彼女を悩ませた彼がいた。
「綺麗な笛の音だな」
「土方…。どうしたんだ、こんな時間に…」
美桜里は動揺が表に出ないように、隣に立つ彼に声をかけた。
「いや、笛の音が聞こえたから、来てみたんだ。そしたら、お前が笛を吹いててな」
「ふ~ん」
美桜里は彼がかけてくれた羽織を前に引き寄せた。
そういえば、土方も羽織を着ている。
もしかしたら、彼は笛を吹いているのが美桜里だということに気付いていたのかもしれない。
隣にいる土方を見上げると、彼は美桜里の視線に気付いたのか、こちらを向き、笑みを浮かべた。