背の高い青年の問い掛けに男は鯉口を切り、スラリと刀身を露にした。 刀身が月明かりで妖しく光る。 「行くぞ…」 男――、土方の合図で二人の青年も刀を抜き、三人一緒に家屋の影から飛び出した。 草履を地面につける度に足の裏にヌルリとした感触がする。 足元を見なくても分かる。 彼らの足を取っているのは、浪士達の身体から流れ出る紅い液体――、血だ。