今まで止んでいた風が吹いた。 しかし、その風は生温く、身体に纏わり付くように吹き抜けて行く。 「…血の匂いだ」 土方と呼ばれた男は鼻を突いた血の匂いに形の整った眉を寄せ、走り出した。 「土方さん!?」 先に走って行った男を追うように、二人の青年達も走り出した。