「そういえば、あんたも健康診断受けたんだろ?どうだったんだ?」
美桜里の問いに、沖田の表情が曇った。
聞いてはいけなかったのか、と後悔した時には既に遅かった。
「受けたよ。それで、労咳って診断されたんだ」
「労咳…?」
労咳は死病と言われている。
最近、沖田が咳をしていたのはそれが原因だったらしい。
美桜里は信じられない事実に言葉を失った。
「美桜里、俺は新選組を離れないよ」
「でも、沖田…っ!」
「近藤さんや新選組のために剣になることが俺の生きる理由だから」
「沖田…」
「このことは他言無用だよ」
そう言って、彼は去って行く。
美桜里はしばらく、沖田が歩いて行った方向を見つめていた。