美桜里は倒れそうになる身体を根性で押し止め、桐生を睨んだ。
嬉しそうな笑みを浮かべ、苦しむ美桜里を見つめている。
ようやく、連れて行ける事が嬉しいのだろう。
しかし、このまま黙って連れて行かれる美桜里ではない。
「こ、んな札…ッ!」
美桜里は身体に張り付く札を無理矢理剥がした。
剥がす時に皮膚を剥がされるような痛みを伴ったが、それに構わず札を剥がして行く。
しかし、剥がしても剥がしても新しい札が張り付いて来た。
「クソが…ッ!」
刀を抜き、飛んで来る札を切りながら、美桜里は外へ飛び出した。
塀を飛び越えると、血が流れ出る腕を押さえながら、屯所まで走った。