その頃、美桜里はというと――。
「久しいな、美桜里。元気にしておったか?」
会津公と謁見していた。
幼い頃に見た彼と雰囲気はあまり変わっておらず、あの頃と変わらない優しい笑みを浮かべていた。
「お久しぶりです、容保様。はい、私は元気にやっていますよ。容保様もお元気そうで何よりです」
美桜里は下座の方から会津公に頭を下げた。
「面を上げよ。実はの、美桜里。お主に会わせたい者がおるのだ」
「私に…?」
「ああ。入れ、桐生」
会津公に呼ばれ、入って来たのは美桜里の兄、桐生だった。
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