「そうだ。もし、私が帰って来なくても、会津藩邸には乗り込んで来るなよ」




そう言い残し、美桜里は部屋を出て行った。



「どういう事だ?分かるか、左之」



「分かるわけねぇだろ」



永倉と原田だけでなく、土方達も混乱していた。




しかし、彼らが彼女の残して行った言葉の意味が分かるのはそう遠くなかった――。