「おい、あんまりうるさくするな!気付かれちまうだろ!」
「「「お前(新八さん)の声が一番うるさい」」」
美桜里と沖田、藤堂の声が綺麗に重なった。
三人に同時に突っ込まれた永倉は若干落ち込んでいる。
近藤は緊張感がない奴らだ、と額を押さえていた。
すると、美桜里の耳に一瞬だが、長州の声が聞こえた。
「近藤さん、早く行った方が良さそうだ。長州の奴らが騒ぎ始めてる」
「何だと!?私達の事が気付かれたのか」
一番騒いだであろう永倉に美桜里以外の皆の視線が集まる。
「俺が悪いの!?」
「…いや、違う。古高を助けに行くとかどうとか言ってる」
という事は新選組が宿の前に居る事を気付かれた訳ではなかった。
永倉は安心したように肩を落とす。