何故か、最近言葉を遮られる事が多い。



今日だって、既に二回は遮られている。



「また遮られた…」



美桜里は苛立ちながら、喧騒の方へ視線を向けた。



そこには、酔っ払った浪士三人に絡まれている町娘が居た。



状況からして、町娘が浪士達の酌を断り、浪士達が逆上したのだろう。



周りに居る町人達は誰も娘を助けようとはせず、知らんぷりをしている。



美桜里はくだらないとその場を立ち去ろうとした。



しかし、何かを思い立ったように足を止めた。