「何ですか、これ」 「川綵が入れて来た茶だ」 茶という単語に山崎は呆気を取られたように湯呑みの中身を見ていた。 土方は冗談半分で山崎にそれを勧めた。 しかし、山崎は苦笑いを浮かべながら首を横に振り、部屋を出て行った。 その直後、盛大に噎せ、咳込む山崎の声がした。 「飲んだのか…、山崎」 土方は初めて美桜里が入れて来た茶の味を思い出し、彼の身体に鳥肌が立った。