冷たい…。 「これ…」 「あぁ…俺の」 わざわざハンカチ濡らしてきてくれたんだ。 「ありがとう」 「別に…。 元はと言えば、俺のせいだし…ごめん」 「ううん…」 ドキドキと鼓動が速い。 「……行くか」 あたしは頷いて立った。 工藤君はあたしの歩幅にあわせてゆっくり歩いてくれた。 少し歩いた所で 「家……どの辺?」 「もうすぐ…あの角を右に曲がった所」 「ん……」