ガチャッ―― ほら、とあたしの背中を軽く押して中に入れる。 「失礼します…」 「あぁ…君ね、こっちにどうぞ」 あたしは返事をして理事長の前へと進んだ。 理事長は50歳くらいで黒髪に少し白髪の混じった男の人。 「君が割ったんだってね」 「す、すみませんでした。 悪気はなく…あ、いや…あたしが悪いんですけど。 ぶつかってしまって…あの弁償しますから」