時雨君――



「時雨様! どうなさったの?」



さっきとは違う甘い声を出している先輩方。



どっから出るんですか、そんな声。



「君たちこそ何してる」



時雨君の低音よりも低い声が一瞬でその場の空気を張りつめた。



「1対3とは卑怯だな」



「違うのよ!」



「退学になりたくなければ今すぐ…消えろ」



先輩方は走り去っていった…。