『さっき1年の子が来たんだよ。
“携帯を…”ってさ』
うわ…つーことは、入れ違いになったってことか。
「山ちゃんその子どうした?まだ居る?」
『ん、居ると思うけどよくわかんねー』
「…何だよその言い方」
……なんか、嫌な予感がするんだけど。
『いやぁ、お前にもようやく彼女が出来たかーってんで、みんな興味津々で囲んじゃって!
で、今は女子に連れられてどっか行った』
…それって、あんまり穏やかじゃないような気がすんのは俺だけ?
「…山ちゃんごめん、切るよっ!」
ピッ と電話を切り、走り出す。
…女の子って可愛いけどさ、時々怖いんだよね…。
龍輝と真由ちゃんの時もちょっとヤバかったし。
…なんも無きゃいいけど、急いだ方がいいよな、絶対。
…そして、5人の女の子があの子を囲んでるのを見つけた。
あんまり人が来ない場所で、あの子はなんだか泣きそうな顔で。
だから、つい。
「何してんの」
自分でもビックリするくらい冷たく言って彼女たちを見た。