「あんなの、参考にはならないと思うけど?」

「でも、現にあんな美少女と出会っちゃってるじゃん。
いいから話せよー」


んー…、どうしよっかな。

龍輝の時みたいに、のらりくらりと逃げちゃおっか?


でも、山ちゃんってしつこいんだよなぁ…。




「んー…と。
とりあえず授業サボってどっかで話す?」

「おー、賛成!!」


…まぁ、山ちゃんならいっか。

と思えるような奴だから、中学ん時の話をすることにした。




……。




そして向かった場所は、相も変わらず体育館裏。

ほんと、ここが好きだね、俺。


龍輝たちが居ないのを確認し、男二人で並んで座る。




「んで?どういう出会いだったの?」


遠慮無く聞いてくる山ちゃんに苦笑しつつ、昔のことを思いながら話していく。


龍輝と喧嘩したのがきっかけで体育館裏に行くようになって、
そこでテニス部の子たちを口説いてて、そこに現れたのがサクライ アヤ。

俺のことを嫌そうに見てたけど、でもあの場所で話すのが当たり前になってた。

でも龍輝と元通り話せるようになった時から体育館裏には行ってなくて、あの子のこともすっかり忘れてて、
そしてつい最近になって思い出して、それで少し話しただけ。

と、山ちゃんに言った。




「…はい、これでおしまい」


……あの子が“俺”に「好き」だと言った昨日のことは伏せて、中学の時の話だけをした。


そうすると山ちゃんは、目をキラッキラに輝かせて俺を見た。




「なぁなぁテニス部ってやっぱりミニスカ!?
ミニスカ見放題!?」


……気になるのはソレかよ。