「あ、いえっ…桜庭先輩と…」
…へ?
「え、俺?」
「はい」
……ガヤガヤと騒がしい教室内で、俺と彼女の周りだけ音が消えた。 ような気がした。
「こら3年!!早く自分の教室に行け!!」
…やっぱり音が消えたのは気のせいで、赤井センセの声が響き渡る。
ハッと周りを見ると、龍輝たちはもう教室を出るところで、
1年生たちもそれぞれの教室、それぞれの席へと戻っていくところだった。
「あ…ごめん、写真はまた今度でいい?」
「はい。また、機会があれば」
「うん」
…目の前の女の子は残念そうな顔で席に戻り、俺も龍輝たちを追う。