春は出会いの季節。


そう…――、


――「運命の出会い」があるかもしれない季節!!






「はーい1年生たち、おっはよー!」


ガラッと勢いよくドアを開くと、女の子たちが一斉に集まってくる。

いいねぇ女の子特有の甘い匂い。 みんな可愛いなぁ。




「キャー!! 龍輝先輩!!」

「十朱さん素敵ー!!」


うんうん、龍輝と朔ちゃんにみんな夢中…って、俺は!?


「桜庭先輩!!」


よっしゃ、キター!!




「龍輝先輩とのツーショット、撮ってもらっていいですか!?」




……ってオイ!! 結局龍輝かよ!!


「オッケー!写真撮りたい人、俺が引き受けるから声かけてねー!」


…って言っちゃう俺も馬鹿だよなぁ。

んで、みんな遠慮無く頼んでくるし。


龍輝、龍輝、朔ちゃん、龍輝、龍輝、龍輝、朔ちゃん、龍輝、朔ちゃん、龍輝、龍輝…なんじゃこりゃ。

龍輝に彼女居ること、みんな知らないのかな?

まぁでも…、モテる奴は彼女が居てもモテるからなぁ…。




「健吾先輩!!」


…ほら、

健ちゃんも相も変わらず男にモテてる。


健ちゃんにはすっげー可愛い彼女が居るのに、男子も懲りないねぇ…。




「あの、写真いいですか?」


ふと、後ろから声をかけられる。

はいはい、お安いご用ですとも。


「オッケー、龍輝とだよね?」


携帯を受け取り、龍輝の方へと女の子を促す。