「朱音」


「ん?なに、サク?」


少し前を歩いていた朱音が振り返って言う。


長い黒髪が風になびく。


「……今度、どこかへ行かないか?」


「いいの!? 行こう行こう!!


あ、そうだ~


あたし、久し振りにサクの家に行きた~い!!」


この上なく上機嫌だ。