人の良さそうな笑みをうかべた、 すらりとした長身が印象的な男性だ。 「お久し振りです。」 「なんの用だ、今取り込み中なんだが。」 父が怪訝な顔で訊ねる。 「いえ。紗綾ちゃんと 次に帰ってきたときに現場に連れていく と、約束していたもので……」 父の機嫌はどんどん降下していく。 返事が来る前に、 私とおじさんは外に飛びだした。